くにたち、あの日あの頃 13 - 国立駅南口 1955年

国立駅 1955(昭和30)年頃(写真:くにたち郷土文化館蔵)

国立駅 1955(昭和30)年頃(写真:くにたち郷土文化館蔵)

「……本学敷地ニ接近シテ中央線上ニ停車場ヲ建築シ、停車場敷地ト共ニ之ヲ鉄道省ニ寄付シ、以テ汽車電車発着ノ便ニ資スルコトヲ誓約ス」「停車場用地ハ参千五百坪以上トシ、鉄道省ノ指定ニ従ヒ交通並ニ外観ヲ考慮シ入念ニ建築スルモノトス」

以上は、1925(大正14)年に東京商科大学(現一橋大学)が箱根土地と締結した土地交換の契約書と、町づくりについての覚書の一部である。この翌年の4月1日に国立駅は開業している。斬新なデザインは、箱根土地がこの覚書を尊重し、設計にあたった結果である。当時、駅の設置要望は各地であった。しかし、請願駅としては異例の早さの認可だったのに加え、ほとんど乗降客の見込めない開設であったため、皮肉を交えて新聞に書きたてられた。

この写真は、開業から30年を経た駅前風景。周辺の様子は大きく変わったが、“牛目窓”のある屋根など、駅本屋の姿はほとんど当時のままと思われる。

 

くにたち公民館だより 2006年10月 560号 ‐ くにたち、あの日あの頃13

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